官尊民卑のダブルスタンダード

早いものでもう12月、師走である(おお、なんと陳腐な書き出し)
この時期になると年賀状を書きだしたり、住所の確認をしだしたりするヒトも多いだろう。(最近は個人情報保護法のお陰で、この住所の確認が面倒この上ない)

そして、年賀状といえば、毎年のように配達員が怠業して配らなかった年賀状が発見されたりもする。
このような怠業をすると、郵便法で明確に罰則が規定されており、それが適応されれば塀の中でしゃがむこととなる。

郵便法
(郵便物の取扱いをしない等の罪)
第79条 郵便の業務に従事する者が殊更に郵便の取扱いをせず、又はこれを遅延させたときは、これを1年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
2 郵便の業務に従事する者が重大な過失によつて郵便物を失つたときは、これを30万円以下の罰金に処する。

ところが、今回とんでもない <事件> が起こった。
梅田駅に郵便物放置、12万通のうち「ねんきん」4万通余(読売新聞)
ねんきん特別便4万5千通、JR貨物梅田駅に2カ月放置(朝日新聞)
郵便事業会社:ねんきん特別便4万5千通、2カ月間放置(毎日JP)
ねんきん特別便4万5000通が不達 JR梅田駅に2カ月間放置(MSN/産経ニュース)
ねんきん特別便、数万通が未着 郵便会社が配達ミス(日経ネット)

朝、テレビのニュースで聞いて、一瞬理解できなかった。民間では考えられないような出来事だろう。

この件では、厳正な罰が加えられなければならないだろう。と、言っても、厳正な罰を求めると、より陰湿な隠ぺいが起こったり、この場合などは下請け業者に責任の押し付けが行われたりするだけだろうとは思うが。

ここに、ずらりと各紙の記事を並べてみても、お詫びがどうのというだけで、この罰則、責任の所在には触れていない。後追いで報道もされるのだろうが、ぜひ厳正な追及がなされるように望む。

郵政会社は、あたかも入れ違いで民間企業となったが、官と民への追及において民よりも官への追及が緩いとすれば、その不満はどこかで暴発を引き起こすだろう。



12月12日追記
「マスコミ報道では分からない内実 日本郵政年金便放置の深刻」(J-CAST 2008/12/11)によると。

関係者の間では「日本郵政として今回の未配達問題は、郵便物の輸送を委託した運送会社の問題と見ているのではないか。日本郵政としては、むしろ被害者意識が強いのではないか」の声も漏れる。

とのことだ。この観測が的を射ているとすればとんでもないことだ。なんと幼稚な組織というほかはない。