2つの面

その1.
高校の履修問題が騒がれているけれど、お役人が上の許しも得ずに勝手に−自分の責任で−決定を下すわけがない。
結局、「ゆとり教育論議の時に、このような状態になるであろう事は明らかだったわけで、アノ当時「指導要領の弾力的な適応」という方針に従ったってのが今の混乱の原因なんじゃないのかね。

本来ならば有印公文書偽造だのなんだのと、刑事訴追も免れないような大きな問題なんだろうと思うけれど、知らぬ間に有耶無耶になっていくだろうこの国の規範意識のなさとかダブルスタンダードの有り様をとっくりと観察しましょう。

その2.
で、その履修抜けで抜かれたのが「世界史」というのはなんとも興味深い。
「世界史」なんぞ実社会で役に立たないってのはそうなのかもしれない。下手をすると第二次世界大戦で日本が米国と戦った事さえ既に怪しいわけで。歴史修正主義者の手を借りずとも、国民のコモンセンスとしての世界史については、修正云々する元の知識自体があやふやになっているのかもしれない。

しかし、実は「世界史」というのは様々な「物語」の集積であって、下手なファンタジー小説やらロールプレイングゲームよりも興味深く面白いものなんだが、このような先人の失敗と教訓を知らぬままに今を生きていくってのは良い事なんだろうか?

http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002637
リンク先は「愛国の作法」を出版した姜尚中へのインタビュー記事。
下にコメント欄が設けられていて、今現在コメントが115。非常に楽しい。



なんでも、今回の履修問題は教育基本法改正を進めたい安倍政権の策謀で、もし基本法改正に反対の動きをする文科省官僚が居れば、履修問題の責任追及を強く行うと言う脅しをかけるため仕掛けたという観測がある。
安田弁護士やら三井環の例を考えるとありそうな話だけど、まさかなぁ。

渡部昇一の「100人の指導者たち」 第27人目 「岸信介」

まるで「間違い探し」みたいな面白みがある文章だな。