日本人はバカになった(決めつけ)

文科省が「学力テスト(教育課程実施状況調査)」の結果を発表した。02年から始まった「新学習指導要領」所謂「ゆとり教育」以前と以後を比較する性質を持っている。結果は好成績で、「ゆとり教育」によって「学力低下」が阻止されたかに見える。しかし。


学力テスト:同一問題で、43%が02年より正答率高く(毎日)
学力テスト:成績アップ どう評価?揺れる学校現場(毎日)
学力テスト:「好成績」戸惑う文科省 なぜ、上向いたのか(毎日)

比較の為に前回には含まれて今回には含まれていない課題は比較対象から外されている。つまり、前回の試験においてはより広範囲な学習が求められていたのであり、狭い学習範囲だけで許されている今の子供たちが、同一の試験で好成績を残すのは当たり前と言えば当たり前の話だろう。

そもそも、教職員の為だけとしか見なせない「週五日制」が施行され、ただでさえ足りない「コマ」に「総合学習」が割り込んできている。こんな環境で学力が上がるようならそれはマジックだ。

ゆとり教育」が見直されるのなら、真っ先に「週五日制」が見なおされるべきなのだろうが誰も頬かむりだ。

こんな調査も同時に発表された。

理想の社長:堀江ライブドア社長がトップ 東商意識調査(毎日)

2位は星野仙一、3位は北野武。以下、イチロー坂本龍馬
毎年、こういった調査がされて「新入社員」のバカさ加減が晒されるのは毎度のことで、「新入社員」もまともに応えてなどいないんだろうとは思うけれども。視野の狭さやら評価基準の平板さは痛々しいほどだね。

日本人はバカになった。段々とバカになっていくんだろう。
しかし、わたしはここで「衆愚批判」なんてやる気はない。
逆だ、メインカルチャ、または「教養」であるとか「見識」と言われたものは、もはや風変わりな一部の人々の間でしか有効ではないのかもしれない。それよりは表面的で見た目に麗しい、または耳や口に甘いものが持て囃されるのだろう。
そして、それぞれの「サブカルチャ」(または、蛸壺)の中で人々は充足して生きていける。
アキバ系」「ポジティブシンキングでMLM」「愛国」「アイドルオタク」etc.,etc.,
ヒトはそれぞれに様々な領域で生きていけば良いのであって、確かにそこで「国力」と呼ばれるものは方向性を失い、力も落ちる(これが「先進国病」と言われるものの正体かもしれない)。
けれど、環境は変化していく、予見としてそれを想定することはできない。今、価値を持っている「価値観」が明日も価値を持つとは限らない。生き残りには「バリエーション(多様性)」が必要なのだ。
この多様性を尊重し、それぞれが共存できる道を模索する事が必要なのだろう。
つまり、日本人はバカになった、バカでも生きていかねければならない。バカでも生きていける社会を。