妄想的北朝鮮政策

『ホロコースト産業』についてを読んだ。

ホロコースト」をフレームアップしてシオニズムを補強することはイスラエルと米国の対中東政策の為にこそあるのではないか。このような観点に立つと、米国支援を基盤とした北朝鮮への実力行使、政権打倒が日本の「国益」に際限無い打撃を与えるかもしれない。という妄言。

(この文章も工作文書(安倍晋三の基準による)です)


上記の「『ホロコースト産業』について」によると、米国において「ホロコースト」が喧伝されたのは第三次中東戦争と期を一にしているとの事である。すなわち中東における米国の橋頭堡であるイスラエルの側面を支援するという形で「ホロコースト」が喧伝されたのでは無いかと言う事になる。この運動はシオニズムと微妙に融合し、旧加害国であるドイツにとっては際限無いほどの支援を求めつづけられているとも言えるかもしれない。

中東に対する米国、そこに作られたイスラエル、それを支援する旧加害国であるドイツ
このフレームは次のように展開できないだろうか。
中国に対する米国、そこに作られた開放北朝鮮、それを支援する旧加害国である日本

今日本で北朝鮮への実力行使を主張するたちは、米国の支援に期待を寄せているように見える。いわく「イラクの次は北朝鮮だ」というような主張は一度と無く聞く。膠着した(わたしから言わせれば「膠着させている」のだろうけれども)北朝鮮問題を(木村太郎のような「正論風」に)「国民に分かりやすくすっきりさせる」には実力行使にでも打って出て政権打倒、レジュームチェンジを諮った方が早いってな考え方なんだろう。わたしとしては、そんな事をすれば、まだ彼の地に残る拉致被害者であるとか帰国事業で渡った「日本人妻」の安否に重大な懸念が発生するだろうと気が気ではないが、どうも「そんな事」はどうでもいいらしい。

しかし、事はそれだけでは済まないかもしれない。

北朝鮮の政権打倒が実現し、北朝鮮が「開放」された後、その政治体制は米国の管理統治か、国連やら現在の核問題六カ国協議に見られる周辺諸国の協議による統治体制やらが布かれるか。はたまたいち早く民主的な北朝鮮が生まれるか、韓国との統一が成るか。この辺はよくはわからない。
戦争なんてものは政治におけるギャンブルなので、その成り行きを正確に予想するなんてのはそもそも無駄なことなのかもしれない。

けれども、大きなフレームで見た場合、中国と米国と言うマス・パワーの狭間に朝鮮半島があることは疑いを得ない。中国大陸への橋頭堡としての韓半島を米国が易々と手放すとは思えない。

米国がイスラエルの利権を確保しつつ、そのコストを求めるために「ホロコースト」をフレームアップして、ユダヤに対する旧加害国であるドイツの支援を求めたように。
米国が韓半島の利権を確保しつつ、その統治コストを他に求めようとするならば、旧日本が韓半島において為した行為をフレームアップして日本に贖罪を求めつづけるというシナリオは非常に有効であるように思われる。

確かに北朝鮮の窮状はソビエト共産党やら中国共産党朝鮮半島政策の結果。そしてそれによって作られた金王朝の結果であって、(歴史修正主義者たちの言うように)日本は社会的インフラを整備こそすれ、窮乏させるような事はしていないかもしれない。(しかし、日本が戦後から離脱できたのは朝鮮戦争の特需であり、歴史的に見ると敗戦国であるにも関わらず分割統治の憂き目に合わなかったのも韓半島との地政的な僥倖に寄るところがあったのだろうが)

それはともかく、わたしのゴーストは囁く。
米国に支援され、北朝鮮に軍事的な侵攻がなされ、様々な犠牲の上に首尾よく北朝鮮金王朝が倒されたとしよう。するとその後に、米国内で韓半島における旧日本軍の様々な悪行が喧伝される。映画の2つや3つは作られるだろう。やがてそれら悪行を調査する民間団体が設立され、国際的に力を得、日本は贖罪の為に際限無い支援を求められつづける。