その壁は必要なのか?

帰国の日本人妻、再び北朝鮮へ 「子や孫に会いたい」(朝日新聞)

「帰国事業」という美名の下、在日朝鮮人の夫と59年に北朝鮮に渡った日本人妻がやがて北朝鮮を「脱北」し、日本に帰ってきた。しかし彼女は再度北に戻って行った。
(この文章は工作文書(安倍晋三の基準による)です)

記者会見で彼女が述べたように、物質的に豊かな生活よりも子や孫に囲まれた生活を求めたのかもしれない。また、あれこれ語られるように北朝鮮が謀略を企て、彼女の子や孫を人質として北朝鮮への帰国を求めたのかもしれない。どちらでも良い。というか、それらの主張をするヒトはその根拠を述べてみよ。
そんな事よりも、北朝鮮には日本に自由に行き来ができない「日本人妻」という存在が彼女以外にも多数居る(彼の地に渡ったのが9万人で現在生存している数は痛ましいことに不明なんだろう)。
これらの人々は間違い無く「日本人」だ。彼女たちの家族の一部は日本に居り、そして一部は北朝鮮に居る。
なぜ、彼女たちが日本と北朝鮮を自由に往来して、それらの家族と過ごすことができないのか?
問題は北朝鮮だけのものなのか?
いったい何の為の壁なんだろうか。
ニセ札が入ってくるから?麻薬が輸入されるから?
そんなものが入ってくるのなら摘発すれば良いだけの話だろうが。今だってやっているだろう。話を誤魔化さないで貰いたい。国家間の交流と警察行動とは別のレイアの話ではないか。別のレイアの話を混同して語るのは知性が無いか詭弁を弄しているに過ぎない。
外国人犯罪なんてのは「増えて」はいるけど、長引く不況で増えている日本人犯罪に比べればまだまだ知れた数しかない。なんなら完全に鎖国でもするか?そうすりゃ外国人犯罪はゼロになる。それにしたって犯罪発生率はせいぜい3%程度減るだけだろう)

この両国間に高くて厚い壁があれば儲かるものが居る。
北朝鮮の軍部、軍閥に、日本の反北朝鮮プロ。そして「情報通」たちだろう。(いい加減バカでも気が付けよ。「なんでも知ってる安明進」「誰でも知り合い安明進」なんておかしいだろ)

東欧の民主化をもたらしたものはパラボラアンテナであると言われている。
衛星放送で流されるテレビ。西側諸国のそれら放送を東欧諸国の国民が垣間見、社会主義の敗北が決定したのだろう。それはニュースの力でもなければ論説の力でもない。テレビで流されるドラマやらコマーシャル、そこに描かれている生活がマルクスだのエンゲルスだのレーニンだのなんだのの論理を打ち破り、東欧に民主化をもたらしたんだ。

何を恐れる。

相互交流すれば良いじゃないか。
バンバン入れないさいよ、北朝鮮からヒトをよ。鉄砲だの麻薬だのニセ札だの、そんな厄介なものを持ちこんできたら摘発すりゃ良いだけの話だろうがよ。
ついでにマツタケだのカニだのが入ってくればラッキーじゃないか(官邸だけでマツタケ食ってるんじゃないよ)。
カニだとかあさりって水産資源についてはロシアだとか中国を経由して日本に入ってきているという話。禁酒法時代のシカゴと同じだ。押さえつければ押さえつけるほど、こういったアンダーグラウンドは力をつける。こういった迂回ルートが整備されれば、それこそ麻薬だのニセ札だのも入ってくるかもしれないな。一番の方法は、地下水脈が整備される前に合法化してしまって、そういった違法行為のコストを上げることだろうよ。大手を振ってカニで儲かるものが、何が悲しくて麻薬を運ぶなんてヤバイ真似をするのさ。

彼女は泣いていた。
果たして北朝鮮に戻って、本当に幸せがあるのか。それは判らない。そして数万人の「日本人」が彼の地にまだ暮らしている。それらの家族が引き裂かれている。

この壁は本当に必要なものなんだろうか。