テレビネタ


ちょっとやらわかい(by 柴崎コウ)の話題を。
id:strange:20040924で「韓流(韓国ブーム)」について触れている。まあ「電通仕掛け説」については判断を保留するというかまじめに考える気もないし、仕掛けなきゃ売れないか仕掛けなくても良いものなら売れるかとかって話にもあまり興味がない。仕掛けて売れる市場と仕掛けなくても売れる市場って奴があって、一般的に自分が面白いと思う(萌える)ものは、仕掛けなくても売れる市場で騒ぎになっているものが、仕掛けなければ売れない市場に紹介されたような時であって、それが仕掛けなければ売れない市場で爆発すると面白くなくなる(萎える)ということは言えそうな気がする。つまりそれなりにアンテナは張っているんだろうけど(指向性は狭い)自分ではその「本物」を見分けたり発掘したりするほどの鑑定眼はないって事なんだろう。
まあそれはさておいて。strange はそれが団塊の世代にヒットしたからだと推測するのだけど、わたしには違和感がある。団塊の世代やらバブル世代(90年前の「人手不足」時代に就職をしたような、現在30歳代中頃の人達かな)が消費性向が高いだろうとは思えるので、そこを狙って商売するのがアタリなんだろうというのはその通りだと思う。というか、大体の物って今その辺りを狙っているような気がする。
今までは一般に20歳、30歳の女性が「トレンド」を作って、それが40歳、50歳まで上っていくと「トレンド」が死ぬって流れがあったように思う。ところが『冬ソナ』に関してはこの流れが逆のような気がするのだ。確かに今、20歳代、30歳代の女性で『冬ソナ』に嵌っている人達は、メディアが慎重に年齢的な抵抗を無化してきた効果に嵌っているという気もするんだけど、それでもそもそも20歳代、30歳代の女性が『冬ソナ』を受容できるという素養があったんだろうし、その「市場」がそこそこ大きかったことのほうが気になる。
さて、といってわたしは『冬ソナ』なるものを見た事がない。一般的なメディアで取り上げられている紹介とか友人から聞いた抜粋から推測と、大体こんな事なんだろうと思っているのだが。つまり、「美男美女のカップルが居て、男は交通事故だかなんだかで死んでしまう、美女は心に彼の面影を抱いて生きていくのだがそこに彼そっくりの男が現れる。実は彼は宇宙人に浚われ、記憶を消された彼自身だったのだ。宇宙人の存在を隠そうとする政府組織を逃れ、美男美女は恋を成就する事が出きるだろうか。スリルとサスペンスに満ちた逃亡劇が始まる…」宇宙人以降は嘘だけれど、それでも記憶を無くすだの、実は彼本人だだとか、兄妹疑惑だとか、跡付け臭いベタな話しが延々続くのらしい。さらにそれにベタベタな恋愛が絡まって、まあ、なんというかベタベタベタなストーリーなんだろうな、と。
なんとなく『君の名は』とか『愛染かつら』とかを思わせるベタさなんじゃないんだろうか。そう言えば『世界の中心でアイを叫ぶ』(だったっけ?)なんて『愛と死をみつめて』を翻案したような話じゃないかな。やはりベタ付きが気になる。
これもあまり内容は知らないんだけど、ちょっと前に『共犯者』というドラマがあったそうだ。結局「サイコ・サスペンス」仕立になっていたらしく、この最終回の意味が判らないとビデオを押し付けられて解説を求められた。で、その彼女がしっかり『冬ソナ』に嵌っていたりする。
これらから演繹すると、結局「ネタつまり」なんじゃないんだろうか。いや、「ネタ」自体はバリエーションが広がっている。『共犯者』みたいな視聴者に一定の知識を求めるものから『渡る世間は鬼ばかり』みたいな一切の知識が必要ないものまで。供給側はバリエーションを揃えているのだろうけれども受容者の側にその準備がない。と、そんな気がする。