そらおそろしい判決

人権の発想なんてのはいたって単純なものだ。「自分がその立場に置かれたらどのように思うだろうか」つまりこれしかない。少々お偉いヒトの言葉を借りれば「己の欲せざるところを、ヒトに為すな」という事になるんだろう。
理念もク●もない。
結局、「反人権派」と呼ばれている人達にはこのような他者の立場に立った物の見方ができないのか、「自分にはこのような不幸は降り注いでこない」と高を括っているんだろう。お幸せなことである。
仙台・筋弛緩剤事件、准看護師の守被告に無期懲役 地裁[朝日新聞]
筋弛緩剤事件:守被告に無期懲役判決 仙台地裁 [毎日新聞]
当然わたしはこの事件の全容など知りはしない。またこの守被告という人物も知らない。或いは事件当時報道されたように「少々壊れかけた奴」なのかもしれない。そんな事は言ってみればどうでもいい。わたしが恐ろしいのはこの判決だ。
この報道をみると結局、今の日本では「状況証拠」(その内の大切な物証は当の警察が「全量消費」として無くしてしまった)と「最初の自白」だけで無期懲役、ひょっとすると死刑にもされかねないという恐怖だ。この警察性善説、絶対の信頼は一体どこから来ているんだろうか。

(夜になってこの部分、大切なセンテンスが抜けているのに気がつきました)
「疑わしきは被告人の利益に」この大切な法理はどこにいってしまったんだろうか。
空恐ろしい判決だ。