鬼の話

去年の夏頃からまあ色々とあってガラをかわしていたわけだが。
その間に世間でも小泉の圧勝とか色々あったようだけど、どうにも暗澹たる思いが募るような話ばかりだなぁ。と、そう思う今日この頃でやんすよ。
「独居高齢者を狙い、悪質雪かき横行」
弱者につけこんで金をふんだくるとか、詐欺ルとか。そんな話ばかりだよな。私利私欲のために、何をどこまで捨てられるかってのは中々興味深い話だ。わたしにだって勿論私利私欲はあるわけで、常に他所様の事なんぞ考えていられるほど余裕を決め込んでいるわけではないけれども、それでも捨てられない一線と言うのはあるわけで、これを捨てたら自分が自分じゃなくなってしまうわけだ、しかしそんな事も考えない奴ってのを外道と呼ぶんだと教わった。

ネットの中を久しぶりにうろうろとしていると相も変わらず「2ちゃんねらー」どもが楽天のポイントサービスを悪用(?)して複数アカウントをとってダータで商品を手に入れようとしているとか。まったく、バカの尻馬に乗るバカっぷりは才能と言えそうだな。その利用規約をチラッと見てみると案の定楽天側に有利なようにオールマイティな項目が謳ってあって、ガシガシ複数アカウントをとって商品を手に入れた奴等には、ご苦労様にも後からキッチリ請求が回ってくるんだろうな。まあ、クーリングオフは効くんだろうけど。

この「2ちゃんねらー」どもも上の「悪質雪かき」も、昨今の「勝ち組/負け組」ってなニューエコノミストの金魚の糞も、合衆国にケツの穴カカれてる小泉にケツの穴差し出している奴等も、底では通じているところがある。

「大衆は愚かだから」というような愚かな大衆が言いそうな事はわたしは言わない。この様相には悪い面ばかりがあるわけでも無いのだろうと思っているから。

まあ、そんな話はおいおいするとして。

バカの尻馬好きの皆さんにこんな話は如何でしょうか。

この時期、ある神社での話。
夜になって社務所に、風采の上がらないおじさんが思いつめたような顔をして尋ねてくる。事情を正すとこの正月、初詣にこの神社を訪れたと言う。お屠蘇の酔いも手伝って千円札をお賽銭に投げた、つもりだった。ところが家に帰って財布を見ると投げたつもりの千円札が財布にある。代わりに今月の生活を賄う筈の一万円が無い。事情を察して真っ青になったが、まさかお賽銭を返して貰うわけにもいかない、散々逡巡した結果、やはり返してもらえないかと相談にきたと言う。
神主にこの話を上げると、それは大変な事であると、この男に一万円を返した。
さて、暫くして神主達の会合でこの話を持ち出すと、我も我もとあちこちの神社で同様の出来事が有った事がわかる、話の主の風体を聞き合わせるとどうも同一人物のようである。何件かの神社では返済は断ったものの、哀れに思った数件では一万円を渡していた。

年始早々、神をも騙す鬼が居た。