泉あつのの種明かし

以前わたしはこういう文章を書いた。
「むむむむ、何か降りてきた」
その中で「ライブドア・ニュース」のこの記事(「ライブドアにコメント続々」)が消えるだろうと予測した。


その理由はここに掲載されているコメントが原著者の承認を得ないまま掲載されているからなのである。一般的に言って「私信」は公表を許されていない。また、各新聞、雑誌などのメディアは「投書欄」といったようなものを設け投稿を募っている、こういった投書を紙面に掲載する際には掲載の許諾を得るか、可能であれば投稿の際に掲載可能性に対する許諾を予め得る。
これらは著作者人格権といったものの尊重から当然のことであろう。
このような判例がある。(私信無断掲載事件/高松高裁 平成5年(ネ)第402号
ここに「手紙を差出人本人に無断で公開することは、私事の公開ということでプライバシーないし人格権の侵害となる」と私信の公表が問題である理由が詳細に述べられているが、結局特定の私信をその差し出された文脈から抜き出して公表することは原著者(差出人)の人格権を侵害するとされているのである(この法理は今回の「個人情報保護法」にも準じているだろう、「個人情報保護法」では個人の情報はその個人のものであり、それを収集所持している者のものではないと考えられている)。
この問題に対してライブドア・ニュースに対して質問を投げたところ結局明確な回答を得ることが出来なかった。勿論投稿者は事前にも事後にも一切掲載許諾をライブドア・ニュースに対して行っていない。
つまり著作権ではなく、著作者人格権に対して触法状態が続いているということになる。