本当の悪(ワル)はネクタイ締めてるやつらだよ

上にも書いたけれど、今日のお昼には「週刊現代」をパラパラとめくる程度でじっくりと読まなかったんだよね。その理由は「週刊ポスト」の方に引かれたから。今の一番の話題と言えばやはり「ライブドア堀江VSフジ」の戦いなんだろうけど、この話題に関する「週刊現代」の突っ込みは温かった。「週刊ポスト」が取り上げられていた官邸、小泉首相の動向(?)の方が面白かったね。
仲間内では冗談で「その内楽天の三木谷が出てきてフジテレビと業務提携するとか言い出すんじゃないの?」なんて言っていたんだけど、三木谷がフジと接触して1700億積んでニッポン放送の株争奪戦をやるぐらいなら800億でリーマンブラザースが押さえたライブドアのCBを買い取っちゃった方が良いんじゃない?とか提案したみたい。
で、リーマンブラザースの在日代表の桂木明夫って三木谷と同じ日本興業銀行の出だって?ひょっとすると、堀江モンって三木谷と桂木に嵌められた?

この話、新株予約権を出したフジ側も凄いと思うけど、堀江も信じられないんだよね。フジ側ってひょっとすると法律違反承知でこの奇策に打って出たかもしれないね。

堀江的にはさっさと買収するならしちゃって、企業価値を現生に替えてCB償還した方が良いんだろうよ、というか、その為の企業買収なんでしょうね。つまり、資産運用って奴が一番のプライオリティでないのかね。「週刊ポスト」の描くところなんか面白かったね。つまり、堀江はライブドアの株をリーマンにCBという形で売り払ってしまって、自分はニッポン放送を押さえてフジ・サンケイグループを「支配」したかったんじゃないかって。つまり、「オン・ザ・エッジ」→「ライブドア」→「フジ・サンケイグループ」って出世魚状態。
彼にとっては事業の中身なんか関係ないんだろうからね。より自分の「支配」する資産が巨大になって、かつそれが高利で運用されれば良いんじゃないのかね。
資産の高利運用ってのはある意味健全な企業精神というもので、今回の件でも取り上ざたされているけど日本に多い「キャッシュリッチ」な企業なんてのは、資本を有効利用できない無能な経営者ってのと同義でもあるわけだ。

しかし、それとはまた異なって。企業というものが社会の様々なニーズに応えるノードという見方もある。有効的な資産運用には適さないけれども、それを求める消費者というものがあって、それを提供するしか「能」のない職業人が居るとすると、その両者の為に企業が仲立ちをするって側面もあるんだろうね。ラジオなんてメディアはそろそろ危なくなっている。今までは「放送と通信」なんて法律で縛られていた「放送事業」がなし崩しになって、インターネットを使って個人でも事実上「放送」ができるようになってしまった。
堀江もハッキリしないやつで、彼がアレコレ理屈をつける「メディアの融合」ってのを狙っているのならとっととやれば良いんじゃないかと思えるんだよね。800億からあれば、インターネットを使ってラジオ局でもテレビ局でも出来ちゃうんじゃない?既存の、少々黴の生えた組織を買い取る事も無い。

ハッキリしているのはニッポン放送の持っていた資産だけでないの?
特定株主の取得比率による放送事業免許の停止だとか、フジの取得比率によるフジへの議決権の消滅とか堀江は知らなかったんじゃないのとわたしは思ってる。

思い出すのは新球団の騒ぎ。楽天ライブドアが既存球団の代表にそれぞれのプランをプレゼンするってイベントがあったじゃない。あの時、堀江が挨拶をしてプレゼンの担当者を紹介しようとしたんだけど、彼その担当者の名前を忘れてたもんね。ひょっとすると知らなかったのかもしれない。まともな社会人の行動じゃないよね。今になってフジサンケイグループも関係なくニッポン放送という会社の価値みたいな事言っているけど、本当にそう思っているならオメデタイもほどがある。800億からの金利付きの借金抱えてどうやって展開していく気だろうか。そんな低利回りの眠たい話は聞いていられないでしょう。

しかし、上にも書いたけれど。フジ側は新株予約権の発行という奇策が法律違反と承知で「時間稼ぎ」に向かったのかもしれない。これが認められたらそれこそ大変な話だ。
その昔、矢沢栄吉の「成り上がり」って糸井重里の書いた本があるけど。そこに「本当の悪はネクタイ締めてるやつらだよ、あいつらに勝てるわけないよ」みたいな一節があった。本当にそうだと思うよ。

堀江もネクタイ締めてれば勝てたかもしれないけどね。*1

*1:そういえば、竹内総裁はネクタイ締めてるくせに全然勝てないんだよね。空回りばかりで:ちょっと内輪ネタ