お化けの効用

わたしは自他共に認める「唯物論者」であり「無神論者」「功利主義者」なわけなんだが。まだこの社会にはこういう事があるんだな。
被害者夫婦の“幽霊”が夢枕に立ち…強盗殺人男、自首

 お盆を前に霊の所業?7年前の大阪・夫婦殺害事件に加わった男が「夫婦が夢に出てくる」と出頭して強盗殺人容疑で9日逮捕された。わずか2000円の報酬で2人を殺したが、毎晩夢枕に立つ2人にうなされて仕事が手につかなくなりホームレスに。猛暑での熱中症も手伝ってやつれ果てた末に自首した。大捜査網はすり抜けても、怨念からは逃れられなかった!!

どうも、最近ヒトと話していると倫理観の欠如であるとか「アノミー」という話に突き当たる。この原因の一つに「恐れ(畏れ)の欠如」が有るのではないかと思えてしまう。この社会。つまり21世紀における日本という国の中で生活する人々は「恐れるもの」がない。
それが逆に実感を伴わない「外国人犯罪への恐怖」であるとか「若年者の暴力への恐怖」になっているのかもしれない。

ちょっと話が横道に逸れるようだが。各地の祭りなどで暴れる若者というのがメディアを騒がせる。その昔も祭りともなれば若者の血が騒いで、中には嵌めを外す者も出た。そんな若者ばかりであったら祭りは成立しない。祭りが成立しなければ露天商も商売ができなくなってしまう。なので、地周りと呼ばれるような者たちが跳ね返りたちを摘み出したりした。こういう恐れが一定の安全を保障していたのだろう。

「ノブレスオブリッジ」といわれるような倫理観に立つ者は歴史を重視した。自分自身をそういった歴史の中に置いて客観視する訓練を受けたのだろう。つまり、自分の「家門」は自分だけの物ではなく今まで代々にわたって守られてきた物であって、今自分が当主であるからと好き勝手が許されるわけではない。自分たちの子供や孫に、この「家門」を引き継ぐ義務が要求される。

また、そのような者達は仕事の上でも100年後の歴史家の評価を恐れる。間違っても目先の事には揺るがされない。ところがここ何代かのこの国の首相と来たら。わざわざ歴史に己の恥を刻みに出てきたのかと思いたくなる。

(おっと、時間切れだ。また続きは機会があれば)