哀れなほど真実を知らないプロレタリア/「出口調査は民主党に清き一票を」キャンペーン

まず、フェアネスの為にわたしは今回の選挙において民主党支持であることを明確にしておこう。今度の投票においては民主党に投票する*1。というか、もうした*2
その上で「出口調査は民主党に清き一票を」キャンペーンについて一言二言書いてみたい。正直な印象としては昨日の「哀れなほど真実を知らないプロレタリア」の「実例」という印象を出ない。
まず、彼は「マスゴミ*3不信から、選挙速報の信頼性を崩す為に敢えて出口調査で嘘の答えを積み上げ、マスコミの信頼を覆したいと思っているんだよな。しかしこれって変じゃない?そもそも彼は言う。「偏向・捏造・情報操作も厭わない、自浄作用も全く無い、そんな腐れ反日マスゴミ」ねえ、彼らの目論みはマスコミが出口調査という手法でデータを積み上げて行くことに依存しているんだよな。マスコミが偏向していて情報操作を旨とし、世論調査の結果を捏造すると言うのなら、そのマスコミは彼らが苦労して答えた回答になど省みもせず己の思うが侭にデータを捏造し、偏向した印象を振りまき、情報操作を繰り返すだろう。つまり、彼等はマスコミが信用に足らないといいながらも、彼らの目論見自体がマスコミが出口調査という素材に誠実であるという前提に立っている。
こんな簡単な矛盾に気が付かないって事が既に幼稚じゃないか?

そもそも、「マスコミは真実を語らない」と思い込む背景には「俺は真実を知っている」という信念があるんじゃないんだろうか?けど、その信念は本当に信じるに値するものなのかね?「マスコミが報じない事」なんてのは山ほどあるんだよ。実際のところ。時折触れる「ゴビンダ事件」もとんでもない話なんだろうにマスコミは扱わない。「恵庭冤罪事件」にしてもそうだ。今は大勢のヒトが注目している「拉致疑惑」にしてもそうだったじゃないか。
また、昨日の「米軍によるイラク人少年少女に対する性的虐待」も未だマスコミには登場していない。しかしわたしはここで「この事実はわたしだけが知っている。馬鹿なマスコミはこれを報じないのだ、偏向している、国民をミスリードしている」などとは思わない。つまり、わたし自身、この虐待疑惑について「裏」が取れないのだ。
「マスコミが真実を語らない」のは既に、当たり前の話。その前提が「メディアリテラシー」だろうよ。その上でどのように情報を集め、どう情報を判断するか。そこがおもしろいんでないの。

でね、上記のように民主党に投票しよう(した)立場から見ると、これってのは単にマスコミの信頼を崩すってだけでなくて、民主党支持者に「出口調査で期待させて、開票結果でがっくり落胆させよう」というような運動のようだけど。それってどうなの?幼稚すぎない?


*1:これは何も民主党万歳というわけではない、反自民でもない。非常に単純な話が年金問題における社会保険庁だの、三菱リコール問題における国土交通省だの、行政機構が「ゆるフン」になっている。ここに緊張感を持たせるためには政権交代が最も効果的だと思うからだ。つまり、社民だろうと、なんなら共産でもいい。ここで与野党が逆転できる、またはそれに近づければ何でもいいわけだ

*2:一つ教えておいてあげると、今回の「出口調査」の精度が低いだろう事は各マスコミは先刻ご承知なのだ。昔の「不在者投票」今で言う「期日前投票」制度によって例の組織などにおいてはほとんど既に選挙は過去のものになりつつある。既に終わりかけているわけだ。つまり、投票日に投票所に行くという前提だけ捉まえてみても、そのサンプルに既にバイアスがかかっているという事なんだ。はい、ご苦労様

*3:この言葉も確かにわたしなどもよく使ったが、既に陳腐化を通り越しているのではないか?