誠実さ(その2)

ちょっと各論に足を踏み入れてみよう。
「育英奨学金制度の拡充」
http://www.komei.or.jp/manifest/detail/055.html

2004年度予算において、奨学金の貸与人数は、無利子・有利子併せて、2003年度より9.9万人増の96.5万人に増員されました。

http://www.komei.or.jp/news/daily/2004/0309_04.html

公明党の推進によって、奨学金制度は年々拡充されてきました。第1種と第2種を合わせた貸与人員は、04年度で96万5000人に上り、100万人の大台が目前です。また、第2種奨学金の貸与人員は52万7000人に増員され、公明党が連立政権に参加する前の1998年と比べて、約5倍に拡大されます。

一見「奨学金制度」を充実させている、さすが「福祉の党」といわれるだけあるなと思われる記述なんだけど、本当なのだろうか。

独立行政法人 日本学生支援機構
(日本育英会は平成16年4月独立行政法人に改組された)
http://www.jasso.go.jp/
「日本育英会の業務成果」
http://www3.jasso.go.jp/jyouhoukoukai/ikuei/14/gyoumu-houkoku/page6.html

これを見ると平成14事業年度の貸与人員は第一種、第二種をあわせて「792,420人」という事になるんだけど。上の96万5千人という数字はどこから来たんだろうか?
それに関しては誰か知っていたらコメント欄にでもフォローして欲しいな。それとも週明けにでも両方に電話かけて聞いてみようかな?
まあ、この数字がどうと言う事ではないのです。
実はこの奨学金制度の問題はそんな所にはないのです。
上の「業務成果」の表を良く見ると判るように、一種と二種の比率が問題なのだと思います。
貸与金額の実績比率を抜き出して見ましょうか。
NN年(一種:二種)

12(52:48) - 13(47.4:52.6) - 14(42.4:57.6)

判りますか?一種という無利子奨学金が年々減ってきていて二種という有利子奨学金が増えているんです。(くちさがないヒトは「育英会サラ金になってしまった」などといいます)

公明党マニフェストやら記事ではこのバランスの問題は触れられていません。ちょっと「誠実さ」に「?」が付きますね。
追記:
トラックバックを貰いました。
上記の96万5千人と79万2千人のズレは平成14年の実績と平成16年の予算の差ではないかということ言う事です。そうかもしれません。
id:nobuhiro-n:20040627#p5