読売新聞の論理矛盾(というか「馬脚」)

小泉(かまたは、小泉の答弁を書く官僚)が読売新聞の社説を書く者程度の知能なら野党は非常に楽チンだろう。まあ、大部分の国民はこの社説を読んでも「何がおかしいか」わからないだろう(と、いうか大部分の善男善女は新聞の社説など読まない)。
[2邦人襲撃]「人質事件の特異さが際だつ」5月29日付・読売社説(1)

概要はこうなっている。イラクにおける橋田信介襲撃を受けて、まず先の「イラク人質事件」を引き「家族が自衛隊イラクからの撤退を掲げ、政府に政策変更を要求したことが、無用な混乱を招いたのである」と、この事件を契機に「イラク自衛隊撤兵」要求が盛り上がる事を牽制しているようだ。
ここで、本論とは外れるがちょっと確認しておきたい。読売社説では「無用な混乱」が起きたとされるが、「混乱」したのは誰なんだろうか?どこだろうか?人質か?人質自身が混乱するわけは無い。その家族か?確かに家族はあちらこちらと引き回されて大変だったろう。しかしそれも家族を思うからの行為であり「混乱」はしていたのかもしれないが「無用」などと第三者が断じる事ができるようなものではないだろう。
実は「政府」だったんじゃないか?そしてその尻馬に乗っていた御用記者連中。こいつらが右往左往していただけじゃないんだろうか。そうなんだ、あの程度の事で「無用の混乱」を起こすんだ。
さて、話を戻して。さらに読売社説では様々な例を挙げて「戦場や危険地域で、ジャーナリストやカメラマンが死亡するのは、決して珍しいことではない」と今回の事件を沈静化させようとしている。結語も「事件は、犯行グループがまだ特定できず、日本人を狙ったのかどうか分からない。だが、自衛隊イラク派遣と関係づける問題ではない」となっている。
読売社説、または読売の社論としては「イラク自衛隊派遣」に賛成であり、それを続けて欲しいかのようだ。
さて、ここからがお楽しみ。先の引用では「戦場や危険地域で」となっているが、その後の事例の列挙は「戦場」ばかりが挙げられている。そして、
「戦場は、常に危険と隣り合わせだ。ジャーナリストは、時には、あえて危険を冒してでも、戦場や災害現場に赴く。それは職業的情熱であるとも言えよう」(ここで前に「戦場」が来ており、後ろに「戦場や災害現場」が来ている事に注目。前が「各論」であり、後ろが「総論」と解するべきだろう。つまり、今回の現場は「戦場」だったと、読売は断じているんだ)
と来るわけだ。イラク復興支援特別措置法に基づく「非戦闘地域」とは何も「日本が当事者となっている戦闘地帯」ではない(というか、日本にはそもそも交戦権がないから戦闘の当事者になれるわけが無い)日本人が狙われようと、狙われまいと、「戦闘地域」であれば自衛隊は派遣できない。読売は「戦場」と断定してくれた。それにもかかわらず撤退はするなということは、読売は法を破れと。いったん取り交わした約束でも都合が悪くなったら破ってもいいと。こういっているわけだな。
読売には子供の教育を語って欲しくない。また、こんな嘘つき新聞を子供には読ませたくない。