イラク邦人人質事件2

武力勢力に拘束の7人、5時間後に解放
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/04/09/20040409000000.html

 宣教行事に参加するためイラクを訪問した韓国人牧師8人のうち7人が8日午前(韓国時間)、イラク武装勢力に拉致されたが、5時間後に解放されたとKBSテレビが9日0時30分ごろ報道した。 (中略)  KBSによると、ホ牧師ら7人を拉致した武装勢力はホ牧師一行を目隠しして別の場所に移動させ、パスポートなどを確認、米軍のスパイではないことがわかると解放したという。 (後略)
スパイでないことがわかったら開放された?

イラク邦人人質事件2

あちこちの意見を見ると、
人質になった人々は自らの意思で危険な「戦場」に赴いたのであって、人質になってもやむを得ない。という意見を聞く。まず確認しておきたいのは(1)イラクは「戦場」だったのか。(2)そもそも「戦場にしたのは誰か」ということがある。更に、戦場といえども「なんでもあり」ではない。非戦闘員を殺せば各国の基準で罪に問われる(筈で、イラクにおける米軍を見るといささかあやしい)非戦闘員を人質に取るという行為は容認されるものではないだろう。(半世紀以上戦争やってない国の国民なので日本人というのは戦争のルールとそのルールを飛ば悲惨のリアリティから遠い気がする。それを「平和ボケ」というヒトもいるが、そういう言葉を使うヒトにも同様に「平和ボケ」があるように見受けられる)
更に、自衛隊は撤兵すべきではない。という意見が思ったより多い。確かにわたしも撤兵すべきではないし、もっと言うと交渉などの結果金銭解決などもすべきで無い。
なんであれ人質を取ったという行為に要求を聞き入れれば、次々と同様の事件が起こる可能性があるだろう。
冷酷なようだが、そういう意味では「見殺し」という重い選択をしなければならないだろう。
しかし、こういった立論を行うものに、彼等の犠牲の上に自分たちが立っているという自覚が欠落しているように思えるのは残念なことだ。
手軽に「人命」を打ち出して人質の開放、自衛隊撤兵、または金銭などによる開放を主張することは、人質テロを養成するに等しく、次の、その先の被害者を生み出させることでしかない。
かといって、彼等の犠牲と自分の存在をまったく切り離して考えられるのも同様に「鬼畜の所業」といえるのではないだろうか。