はてなダイアラー漫画名選

dokusha2004-04-20

はてなダイアラー漫画名選
(俺にも語らせろシリーズですね)

『風の抄/柳生秘帖』谷口ジロー(原作/古山寛) (id:dokusha:20040420#p1)
を推します。
ISBN:4253103642

谷口ジローといえば、関川夏央とのコンビで成した『坊ちゃんの時代』が有名ですし、単独の作品として『歩くひと』、『犬を飼う』*1などが代表作と呼ぶにふさわしいと思います。この『風の抄/柳生秘帖』は原作を得ておりますし、ほとんど唯一の時代劇*2ということで谷口作品の系譜からも外れているように思います。
しかし、今回は作家ということではなく作品ということでしたので、これを推したいと思います。
題名にもある通り「柳生秘帖」。一連の柳生武芸帖であるとか忍者秘帖などの系統に属する設定とストーリーです。柳生十兵衛を主人公に置き、ミカドと徳川の暗闘を舞台として柳生、伊賀、甲賀がそして八瀬童子が黒鍬が様々な活躍を見せます。
登場人物も多彩で、ご存知柳生烈堂や松雄芭蕉、挙句は勝海舟まで登場する豪華さ。
と、こんな事をいうとトンデモストーリーに見えてしまうかも知れませんが、これが非常に丹念に描きこまれています。「八瀬童子*3鬼の子孫、天皇家の忍者にスポットを当てることによって重厚なストーリーに仕上がっていると思います。
そういった日本の歴史の暗黒面を扱いながらも、エンターテイメントの要素は外していません。主人公である柳生十兵衛と居合の刺客、示現流の刺客との闘い、そしてクーデター。さらに宿敵八瀬童子の頭領「夜叉麿」との最後の死闘に見せる柳生活人剣。
立場を超え、理想を超えた剣士の意地が炸裂します。
もう、絶対お勧め、見てつまらなかったらお題*4は要らない。
なんでも英語版も出ているようですが、これ映画にしたら当たるんじゃないかと思うんですけどね。ただ、そうするとこの谷口ワールドが壊されそうでちょっと嫌かもしれません。

*1:犬を飼ったことがあるヒトなら絶対に泣く!

*2:『天の鷹』という作品もあるのですが、こちらは時代劇と言うよりもネイティブ・アメリカンのストーリーでしょう

*3:昭和天皇崩御の際に注目されて覚えているヒトも居るかもしれません。

*4:代ではない、というのは古くからの芝居の呼び込み?

コリジョンコース?

昨日「“アメリカ”が悪いのではないサルがバカなだけだ」という文章を書いたがもう一段事態が進展していくのだろうか。
「ヨルダン国王、米大統領との会談延期 中東和平対応懸念」
http://www.asahi.com/international/update/0420/012.html

なんとなく米政権内ではこれ以上の反アラブ強硬策は次期大統領選挙にも影響があるという懸念が有るのでは無いかという気がする。長いセンテンスだな。早い話が「正気に戻った」ということなんだけど。
ただ、イスラエルの強行派の力も相変わらず強いんだろうな。